2022年08月12日
地上に届く紫外線には、UVAとUVBがあります。その比率は、UVAが約95%で、UVBは約5%です。
UVAは、波長が315~400 nmの紫外線で、中でも波長が340~400nmの長波長のUVAをロングUVAと呼びます。
UVAの短期的な影響はUVBと比較すると小さいのですが、光老化など慢性的なダメージの主な原因となります。
また、黒くなる日焼けであるサンタンの原因にもなります。
曇りでも地上に届いたり、ガラス窓などを通過して室内にも入ってくるので注意が必要です。
UVBは、波長が280~315 nmの紫外線で、エネルギーが大きいのが特徴です。
急性のダメージとしては、日焼け(サンバーン)の主な原因となります。
また、慢性的なダメージとして皮膚がんの原因になることがあります。
紫外線には、もう1つUVCがありますが、幸い地上へは届きません。
抗炎症作用のある栄養素を含む食べ物や飲料を日常的に摂ることはよいことですが、急な紫外線ダメージを確実に防げるわけではないことを知っておきましょう。
一方、慢性的なダメージを防ぐには、酸化を防ぐ栄養素を含む食べ物や飲料を摂ることが大切です。
毎日の食生活はもちろん、紫外線のアフターケアとしてもこれらの栄養素を含む食べ物を摂りましょう。
1. ビタミンE
ビタミンEはトコフェロールとも呼ばれる脂溶性のビタミンです。
紫外線によるダメージで増える活性酸素によって、細胞膜が酸化されるのを防ぐ効果があります。
2. ビタミンC
ビタミンCは、アスコルビン酸とも呼ばれる水溶性のビタミンです。
ビタミンCはメラニン色素の生成を抑えるはたらきや黒くなった色素を無色に還元するのを助ける美白効果、皮脂をコントロールして毛穴の悩みやニキビを抑えるなどのはたらきがあります。
3. ベータカロテン(ビタミンA)
ベータカロテンは、体内で必要とする分量がビタミンAとなるプロビタミンです。
ベータカロテンには、抗酸化作用があるので紫外線による活性酸素を防ぐことができます。一方、ビタミンAには抗酸化作用はありませんが、皮膚の免疫機能やバリア機能を維持するはたらきや発癌の抑制効果があります。
4. ビタミンB2
ビタミンB2は、リボフラビンとも呼ばれる水溶性のビタミンです。
皮膚や粘膜の健康維持を助けるはたらきがあります。また、糖質、脂質、たんぱく質を体内でエネルギーにするなどの代謝を支えることで、からだや肌の細胞の再生や成長を促進させたり、新陳代謝を高めます。
5. リコピン
リコピンは動植物に含まれる、赤や黄色、オレンジ色の色素である「カロテノイド」の一種です。
リコピンは抗酸化力が強く、ビタミンEの100倍以上 にもなるという研究報告もあります。
紫外線で増えた活性酸素を除去するはたらきが強い栄養素です。
6. 亜鉛
亜鉛は細胞の再生に必要なミネラルです。
皮膚を正常に保つはたらきがありますが、不足すると紫外線に対する皮膚の抵抗力が低下するといわれています。
7. オメガ3系脂肪酸
代表的なオメガ3系脂肪酸には、「EPA」(エイコサペンタエン酸)と「DHA」(ドコサヘキサエン酸)があります。また、α-リノレン酸もオメガ3脂肪酸の一つです。
オメガ3脂肪酸は、体内で合成できない必須脂肪酸のため、意識して食品から摂取する必要があります。
オメガ3系脂肪酸には、血液中の悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を低減させる効果のほか、中性脂肪を下げたり、血圧を下げるはたらきもあります。
夏の紫外線対策だけでなく、陽ざしがそれほど強くない秋の紫外線や冬の紫外線もダメージを与えるので、1年をとおして食生活での対策を意識しましょう。